2000年4月10日(月) – 6月11日(日)
このたび、写大ギャラリーでは東松照明写真展『長崎<11：02>1945年8月9日』を開催するはこびとなりました。
現代日本を代表する写真家･東松照明氏は、戦後の日本社会と日本人をテーマとして、写真集『<11時02分>NAGASAKI』『日本』『戦後派』『太陽の鉛筆』などをはじめとした出版および写真展で数々の作品を発表してきました。氏の鋭い洞察力と卓越した表現力から生みだされたこれら作品群は、日本のみならず世界でも大きな評価を得てきました。そして、いまも精力的に制作活動を続けています。
今回、写大ギャラリーでは、東松氏の代表作のひとつでもある『長崎<11：02>1945年8月9日』を展示します。このタイトルは、いうまでもなく長崎に原爆が投下された日時を示しています。東松氏は1960年に初めて長崎を訪れ、資料館で原爆の恐ろしい威力によって変質・変形した“もの”たちが8月9日の時間で停止している状態に触れ、また一方、被爆者の人々が今なお現在進行形の時間のなかで、肉体と精神の苦しみを抱えて生活している姿に接し、大きなショックを受けます。
1961年、東松氏は、この、けして忘れてはならない過去の時間と、そこを起点とした現在進行形の時間をとらえるために“長崎”の撮影を開始します。その結果はまず土門拳の“広島”とともに『hiroshima－nagasaki document 1961』として出版します。その後も、ほぼ毎年のように長崎を訪れて撮影を続け、“長崎”の写真集を出版していきます。東松氏は写真集『長崎<11：02>1945年8月9日』(1995年出版)のあとがきで「この写真集は、原爆の被害記録だけを編んだものではない。あえて性格づけるなら、原爆による悲惨を礎とし、その上に構築した都市像とでもいうか、写真で綴る都市論である。」と述べています。現在は長崎に住居を移して、自身のライフワークとしての“長崎”を撮り続けていました。
今日では、資料館における“原爆の痕”を除いて、長崎の街は一見何事もなかったかのように復興・繁栄し、多くの観光客が訪れています。しかしながら、日本人として、私たちは、この地での55年前を決して風化してはならないのです。特に若い人たちにとっても。東松氏は写真をもって強く語りかけます。
写真展では、1961年～1975年の作品45点で構成しています。
東松照明
爆心地から約0.7kmの上野町から掘り出された腕時計 1961年
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東松照明
爆風により崩壊した浦上天主堂の天使像 1961年
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東松照明
浦上天主堂のキリスト像 1961年
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東松照明
浦上天主堂でミサをあげていた信徒がもっていたロザリオと道ノ尾駅前を通行中だった僧侶の着衣(構成) 1961年
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東松照明
通行中の仏僧が着ていた僧衣と浦上天主堂に参詣中に爆死した信徒のロザリオ（爆心地から約3.5km地点） 1961年
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東松照明
頭蓋骨が付着した鉄カブト（爆心地） 1963年
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東松照明
熱線により表面がただれて変色した竹の表皮（爆心地から3～4km地点) 1961年
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東松照明
熱線と火災で表面が変質変色した火鉢 1961年
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東松照明
熱線と火災で表面が変質変色した瓶 1961年
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東松照明
岩屋山を遠望する浦上地区 1961年
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東松照明
爆心地近辺を流れる浦上川の支流 1975年
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東松照明
福田須磨子さん 1962年
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東松照明
福田須磨子さんは1974年死去・翌年平和公園内に詩碑が建立され除幕式が行われた。 1975年
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東松照明
浦上地区より金比羅山を望む 1961年
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東松照明
長崎は漁獲高全国2位の水産県である 1966年
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東松照明
大浦地区 1961年
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東松照明
下谷富太郎さん 1961年
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東松照明
シャツを着る下谷富太郎さん（1.5km地点で被爆片腕切断・母と妹が爆死 1961年
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東松照明
大浦地区は幕末以来、外国人の居留地となったところ。木造洋館は船員専用のアパートとして使用されていた。 1961年
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東松照明
妻の美容院を手伝う山口仙二さん 1962年
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東松照明
山口仙二さん
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東松照明
長崎港を中心に展開する市街地 1961年
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東松照明
調動く人子弟が学ぶ時中小学校（現・孔子廟） 1963年
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東松照明
崇福寺護法堂内の関帝像 1963年
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東松照明
信者をあぶりだすための踏み絵に使われたキリスト像 1963年
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東松照明
安政2年に締結された日蘭条約書 1963年
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東松照明
崎田マシさん（恵みの丘長崎原爆養護ホームにて） 1975年
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東松照明
大浦地区の棟割長屋 1962年
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東松照明
浦川清美さんと娘たち（1.6km地点で被爆・父母兄弟6人死亡） 1961年
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東松照明
浦川志津香さん 1961年
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東松照明
大浦地区 1966年
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東松照明
長崎港に突き出た貨車の引き込み線 1966年
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東松照明
369周年 長崎みなと祭り 1966年
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東松照明
佐世保第37回メーデー 佐世保市内の被爆者手帳保持者は933人（1965年12月現在） 1966年
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東松照明
末次助作さん 1961年
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東松照明
赤崎岸壁に米原子力空母ヨークタウン号（38,500トン 乗組員2,850人）が横付けされている 1961年
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東松照明
赤崎岸壁に米原子力空母ヨークタウン号（38,500トン 乗組員2,850人）が横付けされている 1966年
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東松照明
佐世保米軍港 ミサイル駆逐艦など空母機動部隊が寄港 1966年
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東松照明
片岡さんと母堂と愛犬（1962年母堂死去） 1961年
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東松照明
片岡津代さん 1961年
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東松照明
五島列島・福江島 1963年
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東松照明
福江島・三井楽 1963年
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東松照明
福江島・三井楽 1963年
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東松照明
福江島・三井楽 1963年
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東松照明
五島列島・福江島 1963年
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