ロベール・ドアノーRobert Doisneau, 1912−1994

「市庁舎前のキス」1950年

フランス・パリ郊外のジャンティイに生まれる。石版彫刻師として働いた後、1931年写真に転向し、カメラマンとして仕事を始める。1934年に自動車会社ルノーに就職して広告写真を担当。1939年写真通信社アジャンス・ラフォの創始者ルル・ラフォに出会い、パリの写真を撮り始める。第二次世界大戦中は、フランス軍に召集され入隊した後、レジスタンス運動に参加。戦後は『ヴォーグ』誌の専属カメラマンとしてファッションや社交界の撮影を行った時期もあるが、フリーランスの写真家としてルポルタージュに取り組み、終生パリで市井の人々の生活をエスプリと愛情を持った視線で捉え続けた。現在でもフランスを代表する写真家のひとりとして、広く世界中で愛されている。