土門 拳Ken Domon, 1909-1990

©土門拳「近藤勇と鞍馬天狗」1955年

山形県酒田市生まれ。7歳で家族と東京へ移り住み、その後横浜で学生時代を過ごす。中学時代より画家を志すが、家の事情で断念。1933年に営業写真館である宮内幸太郎写真場の内弟子となるが、報道写真家を目指し、1935年、名取洋之助が設立した日本工房に入社。戦後は、絶対非演出の「リアリズム写真」をカメラ雑誌などで提唱し、写真界に大きな影響を与えた。1958年に写真集『ヒロシマ』(研光社)を刊行、国内外で高い評価を得る。筑豊炭鉱地帯の窮状を取材した1960年刊行の写真集『筑豊のこどもたち』(パトリア書店)は10万部を超えるベストセラーとなる。ほかにもライフワークとなった「古寺巡礼」シリーズでは仏像や寺院の撮影を約40年続け、古陶磁などの伝統工芸品や風景など、日本人としてのアイデンティティを見つめるべく、一貫して日本を撮り続けた。

土門拳記念館