展覧会概要
このたび、写大ギャラリーではキューバ国立写真センター・フォトテカ/ FOTOTECA DE CUBA のご協力を得て、キューバ写真家26名による「キューバ・フォトテカ現代写真展」を開催するはこびとなりました。
キューバは、1959年、革命政府の樹立を経て社会が大きく変動してきました。今年はキューバ革命の戦士チェ・ゲバラの没後30年にあたります。また、来年は日本人がキューバへ移民して100年を迎えます。この秋、日本のメディアでもしばしばキューバがとり上げられています。近年、キューバはヴィジュアル・アートの領域でも活動が盛んで、ラテンアメリカ諸国を中心とした若いアーティストが参加したハバナ・ビエンナーレの開催を始めとして現代美術の面でも注目を浴びています。そして、写真家のあいだでも新しい表現の試みが積極的に行われています。
キューバの写真は、革命後しばらくは政府機関としての記録や広報の意味合いが強いドキュメンタリーが主流をなしてきました。やがて、キューバ社会の日常生活を対象として、写真家独自の表現に重点を置いたストレート・フォトが登場してきます。 80年代に入ってからはアメリカ写真の影響も受け、写真家は自由な写真表現を求めて多様な制作活動を開始しはじめます。さらに 90年代に入り、若い写真家たちは彼らの時代精神をもとに、より内面描写に力を注いで表現した写真を制作・発表して注目を浴びてきています。
本写真展は、キューバの時代変遷の中で、写真家それぞれの眼をとおしたキューバ人の日常生活のドキュメントからラテンアメリカ独自の感性にみちた写真表現まで多様な写真で構成しています。これらの写真は、キューバの社会とその時代を反映したものでもあります。ここに出展している写真家は、歴史的にもキューバを代表する写真家であり、いま注目されている若い写真家であります。日本でこのような規模のキューバ現代写真展を開催するのは、本展が初めてのものです。
なお、本写真展開催にあたりキューバ・フォトテカ・ディレクターである写真家マリオ・ディアス氏のご尽力によりフォトテカ所蔵の作品を出展いただきました。ここに厚く感謝申し上げます。マリオ・ディアス氏は本展開催のために来日し、本会場でギャラリートークを行います。また、ご後援いただきましたキューバ共和国大使館に対しまして感謝の意を表します。
〔出品予定作家〕
ホアキン・ブレス Joaquin Blez 1883-1974
コンスタンチノ・アリアス Constantino Arias Miranda 1920-1991
ラウル・コラレス Raul Corrales(Corral) 1925-
オスワルド・サラス Osvaldo Salas Marino 1914-1992
アルベルト・コルダ Alberto Korda (Alberto Diaz Gutierrez) 1928-
リゴベルト・ロメロ Rigoberto Romero Carmona 1940-1991
ティト・アルバレス TitO Alvarez (Jose Gonzarez Alvarez) 1916-
リボリオ・ノバル Liborio Noval Barbera 1934-
マリア・エウヘニア・アヤ(マルチャ) Maria Eugenia Haya (Marucha) 1944-1991
ホセ・アルベルト・フィゲロア Jose Alberto Figueroa Daniel 1946-
マリオ・ディアス Mario Diaz Leyva 1950-
エンリケ・デ・ラ・ウス Enrique de la Uz Lopez 1944-
フリオ・ベジョ Julio Bello Aguabella
ウンベルト・マジョル Humberto Mayol 1955-
ホセ・ネイ Jose Ney Espinosa 1959-
ラウル・カニーバノ Raul Ca”ibano 1961-
ラサロ・ミランダ Razaro A.Miranda Vera 1958-
ホルヘ・ロペス Jorge Lopez Viera 1972-
クリストバル・エレラ Cristobal Herrera Ulashevich 1971-
レアンドロ・ホー Luis Leandro Joo Roquez 1967-
カッティア・ガルシア Kattia Garcia Fayat 1961-
マルタ・マリア・ペレス Marta Maria Perez Bravo 1959-
イスマエル・ロドリゲス Ismael Narciso Rodriguez Diaz
ロベルト・サラス Roberto Salas Merino 1940-
レネ・ペニャ Rene de Jesus Pe”a G. 1957-
アビガイル・ゴンサレス Abigail Gonzalez Pi”a 1964-