展覧会概要

 このたび、写大ギャラリーにおきましてブルース・ギルデン写真展「ニューヨーク・東京・大阪」を開催するはこびとなりました。

 アメリカの写真家ブルース・ギルデン(1946 ~ )は1970年代当初から写真活動を開始し、初期の作品「コニー・アイランド」を始めとして、多くの写真雑誌に次々と作品を発表していきます。1990年には写真集「The Small Haiti Portfolio」を出版します。そして、生まれながらのニューヨーカーであるギルデンはニューヨークの人々を撮った写真集「FACING  NEW  YORK」(1992年出版)で写真家としての確固たる地位を築きます。この写真集では、ニューヨークの街を行き交う人々に接近し、日中にフラッシュを使うという手法で、都市生活における現代アメリカ人の様々な内面を大胆かつ暴露的にえぐり出しています。ギルデンは、あの“ニューヨーク”(1956年出版)のウィリアム・クラインに大きな影響を受けてきてはいますが、時代の変化に加えて、まさにギルデン・スタイルの表現を創りだしています。彼は自身を称して「名もない人々をとらえるパパラッチともいえるストリート・フォトグラファーである」と述べています。そして、現在も彼のライフワークとしてニューヨークを撮り続けています。

 また、ギルデンはマグナム集団の写真家として精力的に世界各国の取材活動を展開しています。その中にはポルトガル、ルーマニア、インドほかのジプシーの人々を追いかけて撮影を続けているものもあります。さらには、近年、日本にもしばしば滞在して、東京や大阪のヤクザとかホームレスなどの人々も撮っています。そして、この日本を撮った写真集を出版する計画を進めています。

 ギルデンは今日まで写真展を世界各国で開催しており、彼の作品はアメリカを始めとしてヨーロッパ各地の美術館にも多く所蔵されています。

今回、写大ギャラリーの写真展では、代表作でもあるニューヨークとともに写真展としては初公開となる東京・大阪の作品を加えてモノクローム50点で構成します。