展覧会概要

 このたび、写大ギャラリーでは松尾忠男写真展『プロメテウスの肖像』を開催するはこびとなりました。

 松尾忠男氏は1948年山口県に生まれ、10代後半より現代詩に興味を抱き、同人誌に詩作品を発表し始めます。その後、写真との出遭いから東京写真大学短期大学部(現・東京工芸大学)で写真を学び、1974年、同校卒業後は写真家細江英公に師事します。1978~1981年にはニューヨークに在住して、写真活動を開始します。帰国後、スタジオZENを設立して、雑誌エディトリアル、広告写真の分野で精力的に活動していきます。その間、自己の作品制作にも意欲的に取り組み、数々の個展を開催します。現在は制作活動とともに、早見芸術学園(鎌倉)の特任講師として写真の教育にもあたっています。

 本写真展における『プロメテウスの肖像』は、作家、芸術家、学者など文化人のポートレートですが、それぞれ強烈な個性を発揮する創造者=プロメテウス(ギリシャ神話に登場する創造神)たちに白い球体を介在させています。彼らがこの球体を自由にイメージすることによって、日常の姿とは異なったところの深層心理を探り出そうとする写真家の挑戦であり、また、彼らとのコラボレーションでもあります。作者はこのシリーズを“球体写真劇場”とも名づけています。2001年に103人の文化人をとらえた写真集『プロメテウスの肖像』を出版しています。その中から本展では26人の肖像を展示しています。

 今回、写大ギャラリーでは、松尾氏の最近作『プロメテウスの肖像』を中心として、氏の初期作品から今日までの代表的な作品シリーズ〔N次元との対話-1978、New York-1981、MANHATTAN-1983、曼陀裸-1986〕を加えて、展示構成しました。ユニークな作品制作を展開してきた写真家・松尾氏の『内なる世界』が新たに認識されてきます。


基本情報

会期
2002年9月17日(火) ~ 2002年10月27日(日) 10:00 ~ 20:00
会期中無休・入場無料
会場
東京工芸大学 写大ギャラリー
〒164-8678 東京都中野区本町2-9-5
TEL 03-3372-1321 (代)
FAX 03-5388-7996
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分
展示作品
モノクロ/カラー写真作品  約90点
主催
東京工芸大学芸術学部