展覧会概要
このたび、写大ギャラリーではトビー・オールド写真展 『Times Squared』 を開催するはこびとなりました。
ニューヨーク在住のアメリカ人写真家トビー・オールド(1945年ミネソタ生れ)は、大学で歯科医学を学び、口腔病理学の研究をしていました。父親が壁画家であり、幼少期より芸術に触れる環境に育ったこともあって、1973年、自分の天職は写真家であると考え、転身をはかります。
1977年から今日まで、ニューヨークの中心街タイムズ・スクエア周辺のありとあらゆる時と場所を25年以上も撮りつづけています。これは、アメリカの文明に対する洞察をしていく中で、その時代の最もアメリカ的光景が、彼にとってはタイムズ・スクエアを中心に巡っているという観点から発しています。そして、2002年には写真集 『Times Squared』 を出版しました。この写真集は、タイムズ・スクエア、ボクシング、ファッション、ディスコの四つのパートから構成されています。それは、ニューヨークの歓楽街の一種異様な光景とそこに行き交う人びと、ボクサーの生活を賭けた闘争本能、ファッション・モデルという虚構の世界、男と女をむき出しに発散するディスコ等々、社会の裏面をも鋭いタッチで捉えています。そこにはアメリカ現代社会の喧噪と混沌、また、そこで繰り広げられる人間の溢れるエネルギーがモノクローム・プリントで大胆かつ力強く表現されています。
今回の写真展では、この写真集からの作品とその他ニューヨークを舞台としたシリアスな作品からウィットに富んだ作品も含めてすべて6×6判で捉えたT・オールドの躍動する世界を展示します。
本展は、トビー・オールドの日本初個展となり、写真展開催に併せて来日してギャラリートークを開催します。
なお、展示作品は、The Minneapolis Institute of Artsの特別なご厚意により貸出していただいたものであります。ここに、ご協力を心より感謝申し上げます。
基本情報
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