展覧会概要

 このたび、写大ギャラリーでは『カリフォルニアのデジタル写真家3人展』を開催するはこびとなりました。

 ここに登場します3人の写真家は、カリフォルニアをベースとして写真制作および写真教育にと幅広い活動を展開しています。ジョン・スペンス・ウィア(1930年~)とロバート・バリー(1947年~)は、若い頃ふたりともジャック・ウェルポット(1923年~)から写真の指導を受けた師弟関係にあり、現在もJ・ウェルポットと互いに交流を続けています。

 ジャック・ウェルポットは、1950年代後半から活動しているアメリカ西海岸派の現代写真の代表的なひとりであり、日本でもよく知られた写真家であります。

 ジョン・スペンス・ウィアとロバート・バリーはともにメキシコの文化に強い興味を抱き、何度もメキシコを訪れては制作を続けています。最近ではこの“メキシコの色彩”を表現するのにはデジタルでしかないとの思いから、メキシコの店、家屋、壁などの建造物を主な対象として、それぞれ独自のイメージをもって作品化してきています。

 近年、J・ウェルポットはこのふたりから感化を受け、デジタル・フォトには新しいカラー写真の無限ともいえる可能性があると感じ、逆に彼らからデジタルの指導を受けました。J・ウェルポットは、何年もの間、ファイルの中で眠っていた古いネガをデジタル・プリントで甦らせることで、新しい価値観を見いだしています。また、最近作では、スキャナーの上に直接花をのせて、そのイメージを入力し、これをデジタル・プリントするという方法で新たな表現も展開しています。