展覧会概要

 このたび、写大ギャラリーではマルコス・ツィーマーマン写真展『NORTE ARGENTINO』ーアルゼンチン北部・大地と人々ーを開催するはこびとなりました。

 アルゼンチンの写真家マルコス・ツィーマーマンMarcos Zimmermannは1950年ブエノスアイレスに生まれ、国立映画機関・映画実験センターで学び、1973年ブエノスアイレスで映画のスチール写真家として活動を開始します。1979〜1982年にはローマに滞在し、フリーランス写真家としてヨーロッパ各地で作品を発表していきます。1982年拠点をブエノスアイレスに戻し、当初は広告写真に従事しますが、1988年からは自国アルゼンチンの風土と人間をとらえる作品制作に情熱を燃やし続けています。

 ツィーマーマンは、1991年『パタゴニア・風の大地』、1994年『ラプラタ川・夢の川』、1998年『アルゼンチン北部・大地と人々』、2001年『アルゼンチン・未来のための自然』など写真集を精力的に出版しています。アルゼンチンの広大な大地を南から北まで、自国を見つめ直す旅を繰り返し、地域によって様相を異にする大自然の風景、それぞれ土地固有の魂、そこに居住する人々の生きる姿などを力強くとらえています。

 今回、写大ギャラリーの写真展では写真集『アルゼンチン北部・大地と人々』より作品50点を選定し、展示構成しています。ツィーマーマンはこのシリーズに於いても自国のアイデンティティを求めて、壮大な大地と先住民族を中心とした人々の魂を克明かつシリアスに描写しています。これら作品からはモノクロームのもつ美しさと力強さとが相まって、作家の精神性が直に伝わってきます。

 本写真展開催にあたりまして、駐日アルゼンチン共和国大使館にご後援いただき、多大なるご協力をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。また、本写真展がアルゼンチン共和国の様々な事柄をより理解するきっかけになることを望んでいます。