展覧会概要
写真家・栗田紘一郎氏は1943年満州に生れ、関西学院大学で視覚心理学を専攻し、写真に関わっていきます。卒業後、本格的に写真を始め、広告代理店勤務の後、フリーランスの広告写真家として活動していきます。
1983年にはファインアーツ・フォトに転向し、ラージ・フォーマットのランドスケープの制作を開始します。1990年にはアメリカに渡り、1993年アーティストとしてアメリカの永住権を得て、今日までニューヨークで写真制作活動を展開しています。1996年からはラージ・フォーマットのプラチナ・プリントを開始して、アメリカ、日本を中心に世界各国で写真展を開催しています。また、栗田氏の作品は世界多くの美術館でコレクションされています。
今回の写真展はアメリカを中心とした自然を捉えているのですが、栗田氏は「自然と人間は同等であり、互いに全体の調和に従って生育してきている。自然と一体感をもつことが互いの主体性を認めることであり、共存していくことである。私はその自然が有するエネルギーや盛衰などに感動を覚え、写真に収めてきている」という作者の自然に対する深い尊厳から発しています。栗田氏は壮大な風景を対象とするのではなく、一見何気ないような自然の事象との出遭いに作家独自の自然観と視覚感性が触れ合って、そこに独特な美と生命感を描きだしています。
タイトルに“Tranquility & Motion”とあるように対象がかもしだす静穏な空気と自然の揺らめきを大型カメラ(8×10インチ)によって克明に描写しています。また、プラチナ・プリントでは和紙の一種である薄くて光沢のある雁皮紙を使って、微細な階調と暖か味のある優美な色調とを創り上げています。これらプリントには独特な作家の精神性が生みだされています。今回の展示ではプリントのイメージ・サイズ16×20インチに加えて、23×34インチの大型プリントまで37点で構成しています
基本情報
会期 |
2004年9月15日(水) ~ 2005年10月28日(木) 10:00 ~ 20:00 会期中無休・入場無料 |
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会場 |
東京工芸大学 写大ギャラリー 〒164-8678 東京都中野区本町2-9-5 TEL 03-3372-1321 (代) 地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分 |
展示作品 | プラチナプリント 37点 |
主催 |
東京工芸大学芸術学部 |