子守り,パリ, 1954

地下鉄入口,パリ, 1955

カルティエ・ブレッソン, パリ,1954

展覧会概要

東京の下町に生まれた木村伊兵衛(1901-1974 年)、戦前・戦後を通じて、土門拳とともに日本の写真界に多大な功績を残した。
木村伊兵衛といえば“ライカの名手”として余りにも有名であるが、1930年、日本ではまだほとんど使われていなかったライカA型を購入し、名取洋之助とともに報道写真の新しい境地を切り開いていく。また、文芸人のスナップ・ポートレイトでは、従来の型にはまったスタジオ・ポートレイトとは異なり、モデルとその環境とを的確に掴み取り、ライカの速写性を生かして、生き生きとした瞬間の表情を捉えた作品で、大きな反響を呼び起こす。

戦時中は国策による対外宣伝雑誌などにも関わるが、戦後は「サン・ニュース・フォトス社」を経て、フリーとしてカメラ雑誌等で作品を発表していく。 1951年、H・カルティエ・ブレッソンの写真と出遭い、衝撃を受け、自身の方向性に大きな影響を受ける。その後は一貫して従来型の報道写真ではなく、木 村独特な私的な眼差しをもったスナップで「街角」、「秋田」、「新・人国記」などのシリーズを発表していく。

1954年、木村は初めてヨーロッパを訪れて四ヶ月滞在し、パリではブレッソンやドアノーらとも交流する。今回写大ギャラリーでは本学木村伊兵衛コレクションの中から、その当時(1954、1955年)のヨーロッパの作品と、戦後たびたび文化交流で訪れた中国での作品 (1963~71年)を展示する。

基本情報

会期 2007年2月1日(木) ~ 2007年3月13日(火) 10:00 ~ 20:00
会期中無休・入場無料
会場 東京工芸大学 写大ギャラリー
〒164-8678 東京都中野区本町2-9-5
TEL 03-3372-1321 (代)
FAX 03-5388-7996
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分
展示作品 ヨーロッパ、中国の作品 モノクロ写真作品 37点
主催 東京工芸大学芸術学部