地下鉄にて 1970年代後半
© Mikhail Dashevsky/G.I.P.Tokyo

ロッカー 1980
© Mikhail Dashevsky/G.I.P.Tokyo

展覧会概要

ミハイル・ダシェフスキー(Mikhail Aronovich Dashevsky) 1935年モスクワ生まれ。
写真家・ミハイル・ダシェフスキーは1960年代からアマチュア写真家の立場で私的な“非公式写真”をとり続けてきた。その理由は、公式写真(家)は印刷や刊行に際して当局の検閲を受けなければならなかったが、非公式写真にはその必要がなかったからである。つまり、公式写真家として活動すると、「心の中に(検閲を前提にして、)自己規制」が働いてしまうからである。
ダシェフスキーは建築関係の技師として働きながら、写真クラブ「ノヴァートル」に会員として参加した。そして、1960年代から30年間にわたり、旧ソ連体制に批判的な姿勢で人々、生活、街、建物などにレンズを向け続けた。

彼の眼にはロシア庶民、とくに老人がソビエト権力の犠牲者として映っていた。旧ソ連では長期間にわたり、表面上は繁栄し、人々は社会に順応していたが、水面下では共産主義経済は破綻し、官憲の馬鹿さ加減にうんざりしていた。ダシェフスキーの写真活動は、そうした社会を反映し人々の表情の暗さや町並みが記録され、やがて、「ソビエト」と共産主義の神話の解体の方向へと向かっていった。
今回の展示は、写真展「Sunken Time. 1962-1992」(モスクワ 2003年)、写真集「Sunken Time. 1962-1992」(2004年刊行)より再構成し展示します。

基本情報

会期 2008年9月17日(水) ~ 2008年10月26日(日) 10:00 ~ 20:00
会期中無休・入場無料
会場 東京工芸大学 写大ギャラリー
〒164-8678 東京都中野区本町2-9-5
TEL 03-3372-1321 (代)
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分
展示作品 モノクロ写真作品 約50点
主催 東京工芸大学芸術学部
協力 G.I.P.Tokyo