
「Showa88/昭和88年」#17

「Showa88/昭和88年」#39
展覧会概要
本年2013年は、もし「昭和」という年号が続いていたとすれば「昭和88年」にあたります。本展は、写真家 薄井一議が、もし「昭和」という時代がまだ続いていたら?という架空の時間軸に基づいて制作された写真展です。
「昭和」という時代は、太平洋戦争や戦後の高度経済成長など、日本が大きく変化を遂げた激動の時期でした。「昭和」が終わって20余年が経った現在、「昭和」という言葉の響きには、すでにノスタルジーやレトロなニュアンスが漂ってきています。
とりわけ震災以降、先行きが混沌とする21世紀の現代において、「昭和」という時代に対して郷愁を感じる日本人は多いでしょう。それは、戦後復興や経済成長といった当時の日本人の活力への憧れや、高度にネットワーク化されグローバル化した現代では失われつつある生活習慣や風俗への懐かしさのようなものかもしれません。
その世界は、人工的ないかがわしさや、毒々しいまでの色彩に満ち溢れていますが、どこか人間臭くもあり、生への濃密な欲望のような感覚を呼び覚まします。
それは、現代とは別の時空の物語のようでありながら、実は、平成の「いま」という時代にも通底する、日本人の精神風土までをも鮮やかに捉えているのではないでしょうか。
基本情報
会期 | 2013年6月15日(土) ~ 2013年8月8日(木) 10:00 ~ 20:00 会期中無休・入場無料 |
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会場 | 東京工芸大学 写大ギャラリー 〒164-8678 東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F TEL 03-3372-1321 (代) 地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分 |
展示作品 | 80cm×100cm大型カラープリント作品 約20点 |
主催 | 東京工芸大学芸術学部 |
ギャラリートーク | 2012年7月20日(土) 14:00 ~ 15:00 写大ギャラリーにて開催(予約不要・入場自由) ※当日は東京工芸大学オープンキャンパスも開催しています。 |
作家略歴
薄井 一議 (うすい かずよし, 1975−)
東京生まれ。1998年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業後、大手広告代理店に入社し、数多くの広告写真を手がける。2013年よりフリーランスで写真家として活動を始める。
個展
- 1999年 「マカロニキリシタン」コニカミノルタプラザ/東京
- 2011年 「Showa 88 / 昭和88年」ZEN FOTO GALLERY/東京
グループ展
- 1997年 「サンマリノ・インターナショナル・フォトミーティング」/サンマリノ共和国
- 2000年 「HUMANSCAPE」清里フォトアートミュージアム/山梨
- 2003年 「20代写真家の挑戦 IN&OUT」東京都写真美術館/東京
- 2009年 「Editors’Choice」リコーリングキューブ/東京 など多数。
写真集
- 1996年 『マカロニキリシタン』(美術出版社)
- 2011年 『Showa88/昭和88年』(ZEN FOTO GALLERY)
受賞
- 1999年 フジフォトサロン新人賞 / 奨励賞受賞
- 2006年 APA アワード(広告作品部門)/ 最優秀賞受賞
- 2011年 APA アワード(広告作品部門)/ 優秀賞