ウィン・バロック
「森の子供」1951年

ゼラチン シルバー プリント

森山大道
「にっぽん劇場写真帖」より 1967年
ゼラチン シルバー プリント

細江英公
「おとこと女」#24 1960年
ゼラチン シルバー プリント

展覧会概要

 東京工芸大学は1923年に創立され、90年以上の歴史を持つ我が国で最も伝統のある写真教育機関です。その中で写大ギャラリーは、国内外の優れた写真のオリジナルプリントを展示・収集・研究する常設施設として1975年5月に開設されました。ちょうど2015年は写大ギャラリー開設40周年を迎える年にあたります。
 「オリジナルプリント」とは、写真家自身により制作され、署名などが入れられた、写真家の最終的な表現媒体としてのプリントを指し、印刷物などからは感じられない、作者の息づかいまで伝えるものとして、絵画や彫刻と同じように、現在では多くの美術館などで展示・収集されるようになっています。我が国で本格的にオリジナルプリントを展示・収集する公立美術館などの写真部門や写真専門美術館が設立されたのは1980年代半ばのことですので、1975年に開設された写大ギャラリーは、我が国の写真の歴史の中で極めて先駆的な存在だったといえるでしょう。
 現在、写大ギャラリーでは1万点を超えるオリジナルプリントを所蔵し、写真教育に活用すると同時に、展覧会として一般公開しています。国内最大級の写真コレクションを所蔵する東京都写真美術館の開館の所蔵作品が、約3万点(2014年3月現在)とされていますので、教育機関の付属施設として写大ギャラリーの所蔵作品数は、十分世界に誇れるものと考えられます。
 写大ギャラリーでは、アメリカの巨匠ウィン・バロックの日本初個展(1975年5月)を皮切りに、これまでに237回(2015年3月現在)の写真展を開催してきました。
 本展は、写大ギャラリーの40年間の歩を振り返り、十年ごとの四期に分け、それぞれの時代に話題となった写真展から、珠玉のオリジナルプリントを選んで紹介するものです。

※ 1975年当時、本学は東京写真短期大学という名称であり、略して「写大」と呼ばれていたことがギャラリー名の由来です。1977年に校名が現在の東京工芸大学に変更された後も、永年親しまれてきた「写大」という呼び名を残し、現在に至っています。

基本情報

会期 2015年4月20日(月) ~ 2015年5月24日(日)10:00~20:00
会期中無休・入場無料
会場 東京工芸大学 写大ギャラリー
〒164-8678 東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F
TEL 03-3372-1321 (代)
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分
展示作品 モノクロ/カラー写真作品  66点
【主な出品作家】 ウィン・バロック、細江英公、エド・ヴァン・デル・エルスケン、他
主催 東京工芸大学芸術学部