梁 丞佑「人」より
2002年〜2017年

梁 丞佑「人」より
2002年〜2017年

梁 丞佑「人」より
2002年〜2017年

展覧会概要

 東京工芸大学写大ギャラリーでは、2017年に第36回土門拳賞を受賞した、韓国人写真家 梁 丞佑(ヤン・スンウー)の写真展「人」を開催いたします。

 梁は、1966年に韓国で生まれ、1996年に来日、2000年に本学写真学科に入学し、2006年に本学大学院芸術学研究科を修了しました。在学中からInternational Photography AwardsやDAYS JAPAN 国際フォトジャーナリズム賞を受賞するなど注目を集めていました。
 友人となった一人のホームレスの男性の生活に密着して撮影し、第9回新風舎・平間至写真賞大賞を受賞して出版された『君はあっちがわ僕はこっちがわ』(2006年、新風舎)、友人の自殺をきっかけに撮影を始め、身近な人たちとの日々の営みを包み隠さずに写した『青春吉日』(2012年、禅フォトギャラリー)などの写真集を発表。そして、1998年から2014年にかけて新宿歌舞伎町を居場所とする人々の姿を赤裸々にとらえた写真集『新宿迷子』(2016年、禅フォトギャラリー)が評価され、外国人として初めて土門拳賞を受賞しました。
 本展では、2002年から2017年にかけて横浜の寿町にて撮影され、写真集として発表された最新作をオリジナルプリントで展示します。寿町は、横浜中華街から歩いて10分程度の距離にある、いわゆる「ドヤ街」と呼ばれた地域であり、社会からはみ出した多くの人々がそこに集い、他人同士が家族のように生活していました。梁は、そこに暮らす人々と長い時間をかけて信頼関係を築き、被写体と同じ高さの視線で人々に肉薄しています。

 本展は、常に被写体となる人々に寄り添いながら、情熱と問題意識を持って写真を撮り続けてきた、強烈な人間の匂いと逞しさが伝わってくる梁の作品の魅力を伝えようとするものです。


基本情報


会期 2018年4月16日(月) ~ 2018年6月10日(日)
10:00 ~ 20:00 会期中無休・入場無料
会場 東京工芸大学 写大ギャラリー
〒164-8678 東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F
TEL 03-3372-1321 (代)
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分 
展示作品 モノクロ写真作品 約50点
主催 東京工芸大学芸術学部
企画・構成 勝倉 崚太 写大ギャラリー運営委員

作家プロフィール

梁 丞佑(ヤン・スンウー, 1966生− )

韓国生まれ。1996年に来日。2000年日本写真芸術専門学校卒業。2004年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。2006年同大学院芸術学研究科メディアアート専攻修了。2000年・2004年フォックス・タルボット賞一席、 2001年ハッセルブラットStudentフォトコンテスト入賞、2001年上野彦馬賞日本写真芸術学会奨励賞、2003年International Photography Awards Other Photojournalism Section入賞(米国)、2004年PDN Photo Annual 2004 Student Work Section入賞(米国)、2005年DAYS JAPAN 国際フォトジャーナリズム賞日本国内ドキュメンタリー賞、2006年第9回 新風舎・平間至写真賞大賞、2007年文芸社ビジュアルアート出版文化賞2007特別賞、2008年リトルモア写真集公募展審査員賞など受賞多数。著書に『君はあっちがわ僕はこっちがわ』(新風舍)、『君はあっちがわ僕はこっちがわ2』『青春吉日』『新宿迷子』『人』(禅フォトギャラリー)などがある。 

土門拳賞

日本の写真界に大きな足跡を残した巨匠土門拳の偉業をたたえ、1981年に創刊110年記念事業として毎日新聞社が創設した国内でも有数の権威ある写真賞。

トークイベント

展覧会にあわせトークイベントを開催いたします。
2017年、新宿・歌舞伎町で撮影した「新宿迷子」によって、外国人で初めて土門拳賞を受賞した梁 丞佑(ヤン・スンウー)。歌舞伎町を捉えた渡辺 克己、倉田 精二らのいた日本写真史の流れの中で、梁 丞佑の写真のどこが評価されたのか。今回展示している作品「人」、そして梁 丞佑の過去・現在・未来に鑑みながら、質問形式でその魅力に迫ります。


期日2018年4月28日(土)
15:00 ~16:30 (入場無料・申込不要)
登壇者梁 丞佑、
勝倉 崚太(東京工芸大学准教授)
会場東京工芸大学 写大ギャラリー
〒164-8678 東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F
TEL 03-3372-1321 (代)