※森山大道 写真展「衝撃的、たわむれ」は会期を延長し、

【2021年6月7日(月)】まで開催いたします

「provoke」第3号

にっぽん劇場

日本三景その2「安芸の宮島」

展覧会概要

日本を代表する写真家として1960年代より活躍する森山大道。近年では、ニューヨーク、パリ、ロンドンなど、海外の美術館で大規模な展覧会が開催され、世界各地で写真集が出版されるなど、国際的な評価も高まっています。

東京工芸大学写大ギャラリーでは、1960年代から1970年代に制作された森山の初期の代表的な作品の貴重なヴィンテージ・プリントを約900点所蔵しています。所蔵作品には「にっぽん劇場写真帖」、写真集「狩人」、カメラ雑誌、個人誌「記録」などに発表されたもの、さらに未発表のプリントも含まれています。

今回の展示はそのなかから、同じカット(ネガ)からプリントされたもの、同じ被写体を撮影しながら別のカットからプリントされたもの、そのふたつに注目しました。それらのプリントの特徴は同じカットからのプリントであっても、トリミング、濃度、コントラスト、焼き込みなどが違い、イメージを大きく異にします。さらにはネガを裏焼き(左右反転)したものなどもあります。それらが多数存在します。

果たして、かつて森山はそれらをどんな思考の因にプリントしたのか。森山にとって暗室は「具体的かつ衝撃的な、〈まだ見ぬ世界〉との感応」(『写真との対話、そして写真から/写真へ』森山大道著・青弓社刊より)の場です。路上スナップとは別の、未知なるものと遭遇する重要な空間であり、聖域といえます。そこから生み出された作品は思索の軌跡といえるはずです。今回の展示はそれらを伺い知り、追体験することを目的とした実験的なものといえます。

なお、本展示開催にあわせ、『森山大道写真集成⑤1960-1982東京工芸大学 写大ギャラリー アーカイヴ』 (月曜社)が発刊されます。写大ギャラリーに収蔵されているすべての森山作品と詳細な作品リストが掲載されます。


〔ご来館にあたってのお願い〕

*ご入館の際には係の者が来館者カードをお渡しいたします。お手数ですがご記入いただきますようお願いいたします*

・ギャラリー内に5名入館している場合は適宜お待ちいただき、前の方が退館されてからお入りください。
・入館の際は入り口のアルコール消毒液で手指を消毒してください。
・マスクを着用し、咳エチケットにご協力ください。
・観覧中に大きな声で会話しないでください。
・「COCOA-新型コロナウィルス接触確認アプリ」のダウンロードにご協力ください。
・発熱や体調不良等の症状があるお客様は入館をご遠慮ください。

ご不便、ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解、ご協力のほどお願いいたします。


基本情報


会期 2021年3月22日(月) ~ 2021年6月7日(月)
日曜日休館

(月〜金)10:00 ~ 18:00、(土)10:00 ~ 17:00
入場料 無料
会場
東京工芸大学 写大ギャラリー
〒164-8678 東京都中野区本町2-4-7 5号館(芸術情報館)2F
TEL 03-3372-1321 (代)
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分 
展示作品 モノクロ写真作品 61点
主催 東京工芸大学 芸術学部
協力 森山大道写真財団、月曜社、マッチアンドカンパニー、株式会社テレビマンユニオン、株式会社ほぼ日
企画・構成 小林 紀晴 写大ギャラリー運営委員

作家プロフィール

森山 大道(もりやま だいどう,1938年生−)

大阪府生まれ。商業デザイナーを経て、写真家の岩宮武二、細江英公に師事。1963年よりフリーの写真家として独立。以降、写真雑誌や写真集などで作品を発表し続けている。1967年に「にっぽん劇場」で日本写真批評家協会新人賞を受賞。1969年から1970年まで多木浩二や中平卓馬による写真同人誌『プロヴォーク』に参加。独特で鋭敏な感性のもと、荒々しいフレーミングと画質(ブレ、ボケ、粗い粒子、ハイコントラスト)による鮮烈なイメージで先鋭的な写真表現を展開した。1983年日本写真家協会年度賞、2003年第44回毎日芸術賞、2004年ドイツ写真家協会賞、2019年ハッセルブラッド国際写真賞、2020年度朝日賞など受賞多数。日本のみならず、海外でも高く評価されており、国内外で大規模な展覧会を開催。東京工芸大学客員教授。